公開日 2022年07月07日
ウイルスや細菌が引き起こす感染症。
子どもや高齢者が感染症にかかると、重症化したり、命にかかわるものもあります。
また、多くの人々が感染症にかかると、私たちの生活に様々な影響を及ぼします。
赤ちゃんがお母さんからもらった病気に対する抵抗力(免疫)。例えば「百日せき」は生後3ヵ月までに、「麻しん(はしか)」は生後12か月までに自然に失われてしまいます。この時期を過ぎると、赤ちゃん自身で免疫を作り、病気を予防する必要があります。
成長するにつれて、外出機会が増え、集団生活が始まり、多くの人と接触する機会が増えます。私たちは感染症にかかるリスクと常にとなり合わせで生活しなければなりません。
感染症にかからないようにすること、うつさないようにすること。
感染症を防ぐために有効な手段。その一つが「予防接種」です。
感染症のお話し
ウイルスや細菌などの病原体が、口や鼻、手などを介して体に入り込み、増殖することで発症する病気です。
病原体の種類により、発熱やせき、頭痛、発疹、下痢などをはじめとする様々な症状が現れます。
自分だけがかかるのではなく、家族やお友だちへ・・・どんどん「うつる」ことで、学校や仕事を休んだり、楽しみにしていた旅行が中止になったりと、日常生活に多くの支障をきたします。
そのため、事前に予防接種で免疫をつけておくこと、日頃からきちんと手洗いをする、バランスの良い食事をとること、十分な休息(睡眠)や口腔ケアなどの感染症対策を心がけることが大切です。
予防接種ってなんだろう
感染症の原因となるウイルスや細菌、または菌がつくりだす毒素の力を弱めて「予防接種液(ワクチン)」を作ります。
これを、注射や飲み薬で接種して、その病気に対する抵抗力(免疫)を作ることを「予防接種」と言います。
予防接種を徹底して抑え込んだ感染症は、目にすることはありません。(コレラ、天然痘、ポリオなど)
昔は、麻しんに罹った人の家に、我が子を連れて行き「うつしてもらって」免疫を得ようとした時代がありました。そんな麻しんも、これまで予防接種を徹底してきた結果、ほとんど見られませんでしたが、令和5年5月から海外からの持ち込みにより国内での麻しん発生が報告されています。(令和6年5月現在も)。風しんは、予防接種を受けていない世代を中心に感染がひろがり、万が一、妊婦さんが感染すると新生児の耳の聞こえに影響が及ぶことから、令和の時代になっても、さらに予防接種への取り組みを強化し、撲滅に取り組んでいます。
予防接種の効果
予防接種は、その病気に罹らないようにすること、罹ったとしても重症にならないことを目的にしています。
その人の体質や、予防接種を受けた時期の体調などで、抵抗力(免疫)ができなかったり、少ししかできないこともあります。
きちんと抵抗力(免疫)ができたかを知るためには、血液検査等で調べることができます(抗体検査)
また、ワクチンの種類により、抵抗力(免疫)ができても、時間の経過とともに、少しずつ減ってしまうものもあります。長い期間、抵抗力(免疫)を保つために一定の間隔で追加接種が必要なものもあります。
予防接種法で定められているワクチンの種類
予防接種には、法律に基づいて市町村が行う「定期接種」と、希望者が各自で受ける「任意接種」があります。
定期接種
1.A類疾病
主に集団予防、重篤な疾患の予防に重点を置いています。本人(保護者)には「努力義務」があり、釜石市から接種の案内を送ります。
【ワクチンの種類】 五種混合(ジフテリア・百日せき・破傷風・ポリオ・ヒブ)、四種混合(ジフテリア・百日せき・破傷風・ポリオ)、二種混合、BCG(結核)、麻しん風しん混合予防接種、日本脳炎、ヒブ、小児用肺炎球菌、子宮頸がん、水痘、B型肝炎、ロタウイルス
【接種費用】 公費で負担するため、無料で予防接種を受けることができます。
定められた接種期間内に接種を受けることができなかった場合、全額自己負担による任意接種となりますのでご注意ください。
2.B類疾病
主に、個人予防に重点を置いています。本人(保護者)には「努力義務」はありませんが、ぜひ接種を受けて欲しいことから、釜石市では接種の案内を送ります。
【ワクチンの種類】 高齢者インフルエンザ、高齢者肺炎球菌
【接種費用】 公費で接種費用の一部を助成しています。
定められた接種期間内に接種を受けることができなかった場合、全額自己負担による任意接種となりますのでご注意ください。
任意接種
希望者が各自で受ける予防接種で、おたふくかぜ、小児用インフルエンザなどの予防接種です。
【接種費用】
任意接種は希望者が医療機関で受ける予防接種で、基本的に全額自己負担となります。
なお、特定の任意接種について助成を行う場合は、市広報や市ホームページなどでお知らせします。
★釜石市では、小児の予防接種のうち、①おたふくかぜ、②小児用インフルエンザについて、接種費用の一部を助成しております。
①おたふくかぜ予防接種について、詳しくはこちらをご覧ください。おたふくかぜ[PDF:215KB]
②小児用インフルエンザについては、時期になりましたら市ホームページ、市広報、医療機関に掲示するポスターなどでお知らせします。
(例年10月中旬ころからはじまります。)
生ワクチン・不活化ワクチンのちがい
予防接種に使われるワクチンは、病原体(病気の原因となるウイルスや細菌)や菌が作り出す毒素の力を弱めて作られます。
ワクチンは主に次の2種類に分けられます。
生ワクチン
・生きた病原体を弱めたものです。接種をすることでその病気にかかった場合と同じように抵抗力(免疫)を作ります。
・麻しん風しん混合、水痘、BCG、ロタウィルス、おたふくかぜなどのワクチンが該当します。
◎注意事項◎
- 十分な免疫ができるまで約1カ月かかります。その間は副反応が出ないか気をつけて観察してください。
- 注射生ワクチン接種後から、別の種類の注射生ワクチン接種を受けるまでは27日以上あけてください。 ※令和2年10月より接種間隔の規定が変更されました。
不活化ワクチン
・病原体を殺し、抵抗力(免疫)を作るのに必要な成分を使い、毒性を無くして作ります。その病気にかかるわけではないので、1回の接種で十分に免疫が作られるものではありません。決められた回数の接種が必要です。
・四種混合、二種混合、日本脳炎、ヒブ、小児用肺炎球菌、子宮頸がん、B型肝炎、インフルエンザなどのワクチンが該当します。
◎注意事項◎
- 接種してから1週間は副反応が出ないか気をつけて観察してください。
- 不活化ワクチン接種後から次の予防接種を受けるまでの接種間隔は撤廃されました。 ※令和2年10月より接種間隔の規定が変更されました。
予防接種のスケジュール
ワクチンごとに接種対象になる年齢や回数、間隔が違います。
予防接種の受け忘れがないよう、健康状態や流行している病気のことなどを考慮して、医療機関で接種のスケジュールを作りましょう。
小児期に済ませておきたい予防接種のスケジュール作りにご利用ください。予防接種スケジュール表[PDF:482KB]
予防接種はどこで受けられるの?
●BCG(結核)、二種混合ワクチンは、市保健福祉センターで「集団接種」として行います。
●その他の予防接種は、医療機関において「個別接種」で行います。
- 0歳児は、岩手県立釜石病院で接種してください。
- 1歳以上は、市内の各医療機関で接種を受けられます。ただしワクチンの種類によっては、予防接種を行っていない医療機関もありますので、詳しくは予防接種のてびきをご覧ください。釜石市予防接種のてびき[PDF:788KB]
接種当日、忘れ物のないように!
1、母子健康手帳(子どもの予防接種)
医療機関で、接種日を確認したり、今後の接種スケジュールを立てたりするために必要です。また、接種後に記録した日にちやワクチンの種類、製造番号等は予防接種をうけた証明になります。やがてお子さんの進学・就職時に接種歴を確認されます。大切に保管しましょう。そして、成人を迎えた時には、ご本人の記録として渡してあげましょう。
2、予防接種の記録・接種済証など(高齢者)
高齢者インフルエンザや高齢者肺炎球菌など、過去に接種を受けた時に医療機関から発行された「接種済証」や「接種手帳」などをお持ちの方は忘れずに持参しましょう。
3、予診票(予防接種を受ける方全員)
必要事項は、事前に記入しておきましょう。予診票は対象者の皆さんに送付しています。予診票がないと接種できませんので、紛失した場合は事前に市健康推進課にご連絡をお願いします。
予防接種を受ける前に
予防接種は体調のよいときに接種するものであり、体調など健康状態に気を配りましょう。もし気になることがあれば、接種を受ける前に主治医にご相談ください。
接種後に注意すること
①アナフィラキシーショックなどの重篤な副反応がごくまれに起こります。これらは接種してすぐに起こることが多いため、接種後30分間は会場付近で様子をみましょう。
②高熱が数日つづく、アレルギー様の症状がある、接種部位の腫れがひどいなどの場合は、接種を受けた医療機関に相談しましょう。
③接種後は激しい運動は避けましょう。小さいお子さんは保育園等をお休みして体調の観察をしましょう。入浴は普段どおりで構いませんが、接種部位をこすらないようにしてください。
ご相談ください
予防接種のことで、ご不明な点などありましたら、市健康推進課にご相談ください。
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