公開日 2022年05月11日
更新日 2022年05月11日
釜石市 ディーニュ・レ・バンラベンダー観光農園へようこそ
プロジェクトを立ち上げた背景
未来そして世界へつなごう 釜石ラベンダープロジェクトは、市民一人ひとりの心身の健康の維持、増進や、まちが夢と希望を持ち続けられるようにとの考えが土台となっています。市民が花や自然に触れる機会を創出しながら、教育、福祉に寄与する場所として農園の整備を進め、地域の活性化につなげるプロジェクトです。
また、このプロジェクトには、姉妹都市であるディーニュ・レ・バン市からご支援をいただいており、これを機にこれまで以上の国際交流を深めていきたいと考えています。
私たちの小さな取組みが、未来そして世界へつながるよう、今後も取組みを続けていきます。
現在の農園の様子
【令和4年4月27日】 防除作業を行いました
令和3年9月に定植した苗の一部は、残念ながら何かの被害により、茎が剪定でもされたかのように切れてしまっていました。枯れたようになっていた苗を、定植した区画から掘り起こしたり、拾い集めたりして水揚げをし、改めて土に植えると、鮮やかな緑色の芽が出てきました。枯れたように見えても、苗はしっかりと生きていたようです。
苗の切られたような被害について、地元の農家さんから情報収集した結果、原因は、ネキリムシ(根切り虫)だったようです。葉や茎を食べてしまい、苗を倒してしまうネキリムシの対策を行いました。
【令和3年9月に定植した区画です。約200本の苗を定植しました。】
【茎が剪定したように切れてしまった苗です。春になり小さいですが芽が出た様子からラベンダーの生命力を感じます。】
ディーニュ・レ・バンラベンダー観光農園はこちらです
ディーニュ・レ・バンラベンダー観光農園は、釜石市の西部、甲子地区にあります。釜石道釜石仙人峠インターからすぐ側にあり、釜石道からも眼下の臨むことのできる場所です。周囲の山々に囲まれ、甲子川のせせらぎが聞こえる自然豊かな場所にあります。
※計画中区域を含みます。
これまでの活動
遊休農地の復活作業
ディーニュ・レ・バンラベンダー農園の整備は、令和3年度からスタートしました。
令和3年7月、長年、遊休地だった農地の復活のため、釜石市農業委員会の皆さんと草刈り作業を行いました。大人の男性の腰まで草丈のあった雑草も綺麗に刈り取られ、周辺のゴミ収集も行われました。
人力では、撤去が難しかった雑物の除去や脱根作業を業者にお願いした後、職員が協力し、
土に肥料を混ぜて土づくりをした後、苗の定植のための畝作りを行いました。
ラベンダー苗の定植
遊休地だった農地を復活させ、令和3年9月22日、地元の小学校である釜石市立甲子小学校1学年39名の児童と市職員が協力して、初めて苗の定植を行いました。
『ラベンダーが綺麗に咲くように、苗を頑張って植えます。』との児童の宣言により定植会がスタートしました。児童3名、市職員1名が班になり苗を植えました。
鹿からの被害もなく育っています
植物なら花、草、茎、根っこ、木の皮まで食べてしまう鹿の被害は、釜石市でも多くみられています。加えて、鹿は芽吹いたばかりの柔らかい葉を好んで食べるため、植物が全く育たないといった深刻な被害に結びついてしまいます。
【市内を歩く鹿たち】
植物なら何でも食べてしまうイメージのある鹿ですが、一部、嫌いな花もあるようです。その一つがラベンダーです。農園内には、鹿の足跡やフンなど、鹿が侵入した形跡が多くみられましたが、令和3年に定植したラベンダーの苗は、1本も鹿に食べられることなく育ちました。
これからの活動
令和4年度も農園の拡張整備、ラベンダー苗の定植に関する取り組みを進めていきます。
整備、定植活動を通して、植物の多様性の保護や多様な人々が活き活きと生活する機会を創出する取り組みを進めます。
・令和4年度拡張予定面積:約2,200㎡
・整備工事:水源整備工事、電気引き込み工事
・ラベンダー苗定植:拡張地に約200本の苗を定植予定
市民の健康維持と増進にむけて
2011年3月に発生した東日本大震災では、その後の市民の居住形態が大きく変化しました。庭や家庭菜園のある一戸建てからマンションタイプの復興住宅に居住することとなった市民が多く、それまで多くあった公園やグラウンドは、仮設住宅の建設用地として活用されることとなり、市民が土に触れる機会は、震災前に比べ大きく減少することとなりました。
市では、市民が花や自然、そして農業にも触れることで心身の健康維持や増進に役立ててほしいとの想いから、市民農園を開設することとし整備を開始しました。
- 市内の復興アパート
- 仮設住宅
遊休農地を解消し、景観美化を
一方で、高齢化による農業従事者の減少からなる遊休農地は拡大の一途をたどっています。遊休農地の拡大は、市内の景観を悪くし、鳥獣害を拡大させる原因ともなっていることから、市では遊休農地を解消し、市内の景観の美化の一つとしようと、遊休農地を活用し、美しい花を植えようと考えました。
釜石市の概要、ディーニュ・レ・バン市との関係について
私たちのまち釜石市は、岩手県の沿岸南部に位置し、美しい三陸の海と緑豊かな山、美しい川のある自然豊かなまちです。近代製鉄発祥の地、魚のまち、ラグビーのまちとしても知られています。
ディーニュ・レ・バン市と当市は、1992年に開催された三陸・海の博覧会を機に交流をスタートさせました。
三陸・海の博覧会に同市のアンモナイトの壁のレプリカを展示したことが始まりです。
- 三陸海の博覧会オープニングの様子
- 展示されたアンモナイトの壁
- 鉄の歴史館新装落成記念式典
その後も交流を深め、1994年に姉妹都市の調印を行いました。
- 姉妹都市提携調印式の様子
2011年3月に発生しました東日本大震災後は、同市から当市に対し、物心両面にわたるご支援をいただきました。その際、友好の証として同市で栽培が盛んなラベンダーの栽培をご提案いただきました。
【震災犠牲者に献花する一行】
2021年、当市で整備を進めることとした観光農園にて、ラベンダーの栽培を行うこととし、2022年2月、ディーニュ・レ・バン市からラベンダーの種を寄贈していただきました。
【ディーニュ・レ・バン市からラベンダーの種が届きました。栽培方法のアドバイスも同封されていました。】
【ディーニュ・レ・バン市とのWEB会議の様子です。観光農園の整備について説明しました。】
現在、ディーニュ市から届いた種は、市内数件の農家において育苗が行われており、2023年春ごろ、農園への定植を目指しています。
- 令和4年5月初旬
- 小さなラベンダーの芽が出てきました。