公開日 2015年03月07日
更新日 2018年04月30日
百年の守り、今ここに
当市は、過去に多くの津波や地震にみまわれ、尊い生命・財産が奪われてきました。津波災害から市民の生命や財産を守り、また安全な港湾による物流拠点を構築するため、昭和53年から建設が進められてきた釜石港湾口防波堤は、平成18年7月に最終ケーソンが据え付けられ概成し、平成20年度に完成しました。
東日本大震災においては、津波高4割、津波遡上高5割、住民の避難時間6分延伸といった、絶大な減災効果を発現したとされています。北堤はほぼ全壊、南堤は半壊しましたが、国によって、鋭意復旧工事が進められた結果、平成29年度に復旧完了を迎えました。
釜石港湾口防波堤の特徴
釜石港湾口防波堤は、中央の開口部の300mを大型船舶の航路として確保し、その両側に北堤(990m)と南堤(670m)の2本の防波堤をハの字型に配置したものです。
全長1,960m、水深63mという世界最大水深に建設された世界最大級の湾口防波堤です。
湾口防波堤の位置 |
湾口防波堤の断面図 |
釜石港湾口防波堤の工事概要
釜石港湾口防波堤は、大型ケーソンを採用した「ケーソン式混成堤」です。
ケーソン式混成堤とは、海底マウンド(岩石を沈めてつくった台形状の山)の上にケーソンを座らせて、波を防ぐ構造のことをいいます。
ケーソンは、巨大な鉄筋コンクリートの箱です。津波など大きな力でも倒れないように、一番大きいもので重量は16,000トン、高さ30メートルほどで、1つ造るのに約16カ月間かかります。 釜石湾口防波堤には大小合わせて77函のケーソンが据え付けられました。
ケーソンと海底マウンドの間の基礎の部部に使用した石の量は、740万立方メートルで、11トンダンプで約100万台分、東京ドーム約7つ分にもあたります。
昭和53年から工事が始まった釜石港湾口防波堤は、着工から28年の歳月をかけ、平成18年度に概成しました。その後、ケーソンの落ち着きを待ち、上部工工事を行い平成20年度に完成しました。
フローティングドッグでのケーソン製作 |
ケーソンの海上移動 |
ケーソンの据え付け作業
この記事に関するお問い合わせ
産業振興部 国際港湾産業課 港湾振興係
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